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コーキング材の耐久性 JIS規格と海外規格の比較

コーキング材(シーリング材)の寿命は何年ですか?というのは、一番我々に耳の痛い質問です。
同じ材料でも環境条件で大きく変わることがあるからです。

そこでJIS規格など規格が重要になってきます。
一定の条件でコーキング材を加熱したり冷却したり、そして同時に引っ張ったり圧縮したりするいじめ試験を行います。

その際に何パーセント伸ばしたか、圧縮したかでクラスが分かれます。
日本の規格であるJIS規格では10030というのが最大の企画ですが、最初の100は加熱温度の数字で30が引張圧縮の%です。
アメリカの規格ASTMでは加熱温度は70℃で一定ですが、引張圧縮の50/100が最大で圧縮50%引張100%という規格になります。

それぞれの規格は下図のようなスキームで繰り返します。

コーキング材の耐久性 JIS規格と海外規格の比較

特徴としては耐久性のクラスによって加熱側の温度が変わることです。

70℃から100℃までの温度でクラスに応じた割合で圧縮しながら7日間保持します。
冷却側はどのクラスでも−10℃です。

アメリカの規格ASTMでは高温側70℃低温側−23℃で固定です。圧縮引張率だけが変わります。
この点についてはいろいろ議論がありますが、現実には壁パネルの温度は90℃まで上がることはないので、高分子化学の観点からはここまで加熱すると通常の高分子では劣化モードが変わってくるので実際の耐久性とは相関しないとヨーロッパの技術屋からは指摘されています。
逆に低温側は日本でも−40℃なるので低温側の不足は懸念材料です。

もう一つの特徴は機械を使用した引張圧縮繰り返しの回数です。
JISは2000回 ASTMはたったの10回です。また繰り返しの速度もJISはASTMへの1000倍近く。ただし、これも高分子は速い動きには追随可能であるが、ゆっくりとした動き(季節間の温度差による目地のうごきなど)に弱いのが原則なので回数の意味合いがどれほどあるかとの議論があります。

いろいろな新しい材料が出てくるなか、これらの試験だけでは耐久性だけを評価しきれなくなってきています。最大の問題点は紫外線の影響をこの二つの試験は考慮していないことです。

国際規格のISOでは日本主導で紫外線の影響を考慮した試験方法が採用されましたが、まだ製品の規格にはこの試験方法は採用されていません。これまでの研究では単なる紫外線照射だけ、または圧縮引張だけの試験よりはより劣化が促進されることが判明しております。

このようにコーキング材の寿命を延ばすべく材料開発とその予測のために試験方法の開発が進められ、確実にコーキング材の寿命はのびています。しかし、やはり最終的には施工、被着体、環境といったことへの理解なしにはコーキングの長寿命化ひいては建物の長寿命化はできません。

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